Nagraについて / Nagra
Nagraについて
Nagraは世界で最も精密なオーディオ装置を提供するメーカーとして1951年以来世界中で知られてきました。以来、約50年もの間、Nagra研究開発部は専門的なオーディオ機器、政府直轄の警備組織、防衛組織、国防省、空、陸、海軍などで使用される、メカニカルとエレクトロニクスを高度に複合した製品を提供してきました。ステファン・クデルスキーによって創業されてから今日に至るまで、「より使いやすく、より充実した製品をお届けする」という企業理念を揺るがすことなく、独創的な発想や革新を精密な製造技術によって実現させてきたのです。
今は伝説ともなったNAGRA III、IV-Sアナログオープンリールテープレコーダーのような機材は、悪条件を強いられる映画製作、軍事産業の莫大な需要によって支えられてきました。Nagraの録音機材は、映画産業によって認められ、最も名声あるアカデミー賞技術功労賞で何度もオスカー受賞しました。スタジオ内では、Nagra T-オーディオがポストプロダクションアナログ変換および、長期オーディオ保存用として標準機器となっています。そのアナログオーディオは卓越した能力、安定性のある技術、正確な操作性と信頼性によって世界の優れたスタジオにおいて、重要な機器となっています。
90年当初より、Nagra Digitalオープンリールテープレコーダーが、主要レコードレーベルや、映画製作におけるサウンドレコーディングのエンジニアたちによって、世界で最も優れたサウンドレコーダーであると認められるようになりました。このデジタルオープンリールテープレコーダーは、24ビット44.1kHzから24ビット192kHzまでをカバーする高解像デジタルレコーディングが可能です。さらに、警備関連装置においても、 Nagraの高音質録音システムは、すばらしい機械的性能と優れた音質によって、高度な信頼を得ています。
Kudelski社が長年にわたり成功を続けてきた基盤は、研究開発、エンジニアリング、製造工程での絶え間ない進歩にあります。加ええるに、Kudelski社はユニークな才能にあふれた人材に非常に恵まれています。研究開発部のエンジニアの多くは、クデルスキー氏によって直接指導を受け、20年以上もの間、氏とともに働いてきているのです。今日、研究開発部では今まで蓄積された膨大なオーディオ、ビデオ、精密機器などの経験をもとに、この分野ではどのような優れた製品にも負けない製造ラインを構築しております。ロケ用の録音機材からオーディオ愛好家用の超高音質ハイエンドオーディオ機器に至るまで、ひときわ優れたパフォーマンスと持続的な信頼性、そして長期的な投資価値をお届けするため、Kudelski社のエンジニアたちは日夜励んでおります。
アナログオーディオから、デジタルオーディオ、マイクロメカニカルオペレーション、マイクロプロセッサーコントロール、デジタルシグナルプロセッサーに至るまで、各チームのスペシャリストが革新的な技術チャレンジをしつつ、専門分野の方々の要請に応えるべく次々と新技術を確立してきました。こうして練り上げられた技術は、多くのユニークな製品を開発した様々なプロジェクトがもとになっています。たとえば、1981年には世界で初めて持ち運びのできる専門的なビデオレコーダー、NAGRA VPR-5を開発しました。当時はまだビデオレコーダーは巨大で、何百キログラムという重量のある機器でした。
また、成功プロジェクトとしては、世界中の様々な軍や防衛組織から出された、特別に厳密な使用条件を選ばぬ現場での性能と作戦における信頼性という要請に応えるプロジェクトでした。さらに、研究開発部は社内に待機する配線や機械の試作品を組み立てる熟練工によって支えられています。彼らは多層基板や精密な機械部品を短時間に組み立てることができ、ユーザーに高品質な製品をお届けすることに貢献しています。
メカニカル部品の生産、プリント基板の組立は、Kudelski GroupであるLac Neuchatel(ラァク・ニューカタル社)の生産部門で行われています。この工場は高度に精密な電子機器製造のため、最新の設備と技術を備えています。6-axis CNC ミリングマシン、自動表面実装装置、レーザーガイドによる回路組立装置などが、広範に使われています。高度に正確なウェイブはんだシステムと最終仕上段階のオーブンは、完成した電子部品、回路基板などの高品質と信頼性を確実なものにします。フォノ回路や出力トランス のような巻き線製品用のラボは、ローザンヌの北方、ジュネーブ近郊のシェソーの工場にあり、主に機械加工、フィニッシュ、組立の最終工程、検査、ロジスティックスコントロールを行っています。
これらすべての戦略的な活動は、長年に渉って有名なレコーダーを世に送り出してきた、多数の有能かつ献身的な社員によって支えられてきました。1997年には、世界中のオーディオファイルにその発売が待たれた、真空管プリアンプPL-Pを自信を持ってお届けすることができました。そして、新たにご紹介するVPA 真空管アンプによって、さらに高品質な味のある音質をぜひお楽しみいただけきたく思います。
力の応用
意識せずとも存在し、連綿と変化する自然のように、パワーも私たちの生活環境において、いたるところに存在しています。パワーは、拘束を解かれた豊饒さと、洗練度を極めた繊細さという両極端の範囲の中、あらゆる状況下においても姿を現します。パワーの真の性質、その領域、その利用法、その伝達法などを理解することは、長い間、多くの優れた思想家にとって重要なテーマとなっています。
神学者はこの根元的な力が私たちの存在に及ぼす影響を畏敬の念と、学問的研究の対象としてとらえ、その存在価値を絶賛してきました。この広範囲にわたるビジョンを熟考しつつ、私たちのお客様の希望、要求に応えるべく、私たちはオーディオ再生システムにおけるパワーの根元的意味合いとその役割を原点に立ち、多方面から思考するプロジェクトに取り組んでおります。
世界的に評価の高いNagra PL-P 真空管
プリアンプリファーからスタートし、MC/MM カートリッジ用のレベルシグナル、そしてCDプレイヤーやチューナー、テープレコーダーなどのラインレベルコンポーネンツの理想探求に出発したのです。その長い行程の一つとして、いま、私たちの理想を具体化したパワーアンプをご紹介できることとなりました。Nagraの他製品と同様、パワーアンプは、繊細なすべての音のディテールを克明に再現し、実際の演奏の豊かなダイナミックスを再現、演奏時の自然さ、演奏の熱気、怒り、情熱、そして美しさを、余すところなく再現すべく設計しました。
Nagraのめざすアンプとは、最も要求度の高いオーディオ愛好家やスタジオプロフェッショナルの要求に耐えうる、柔軟性と信頼性とを兼ね備え、美しくかつ力強いアンプなのです。家庭における比較的小規模のリスニングルームにおけるハイエンド2チャンネルシステムから、マルチチャンネルの大規模な劇場システムまで、我々はライブパフォーマンスのエッセンスをそのままお届けできるアンプを開発しています。