Model 555 / Jeff Rowland D.G.

Model 555

Model 555

「神はディテールに宿る」

創業者であり責任者/設計者のジェフ・ロゥランド自身は、「神はディテールに宿る」ことを信じてアンプ作りに励んでいます。ひとつの音(ノート)を概念で粒子として見た場合、何もない空間に浮かび上がった音が何の干渉も受けずに空間に放たれる、と捉えます。それに続く音が出るときには、前の音の影響が無ければ、その音だけがスゥーと空間に放たれます。その空間は全くの静寂な空間であることが理想です。彼がノイズに対して人一倍神経を使って、音楽再生を行う環境でノイズレベルを低くする意味は、音楽がごく自然に、何の抵抗もなくリスナーの耳に入り、その音、音楽(音のつながり)でリスナーに音楽を聴く喜びを届けたい、ということに一途なのです。

Model 8Tiパワーアンプの再来!

そのために、一切の妥協を排除してアンプを作ってきました。最新作、Model 555(モデル555)は、1990年代後期に発表し、ベストセラーとなったモデル8Tiに採用したトランスインピーダンスモジュールを、現在の素子と技術で蘇らせた入力段が搭載されています。

入力段は誤差補正機能付きのトランスインピーダンス回路で、10kHz以上で0.003%以下という非常に低い高域歪率を実現しています。この値の実現がR&D(研究開発)で苦労した点で、低歪み率の達成に設計、開発時間の大半を費やしたと言っても過言ではありません。その結果、ローレベルでのダイナミックスが際立ち、音楽演奏の再現性がとても高まりました。ローレベルでの僅かな音圧の差が克明に表現され、それが連なって細かなダイナミックシェーディングを構成し、演奏はよりリアルにリスナーを包括するサウンドステージを再現します。

150W+150W ブリッジモードでは330Wの高出力を誇ります

Model 555の使用法も柔軟性に富んでいます。ステレオアンプとして使用する場合、通常、8Ω負荷時の出力は150W+150W。4Ω負荷で250W+250W。MONO入力とスピーカー出力を使ってモノブロックとしてアンプを構成した場合は330Wという高出力を誇ります。入出力ともモノ用に個別に用意されているために簡単にモノブロックとして使用出来ます。

アモルファス・コア入力トランス搭載!

アモルファス・コアの入力トランスを使用していますので、1 kHz 以下の低い周波数では、高調波歪みがわずかに増加します。使用したトランスはルンダール製で、以前Model 735アンプで使用したものと同じアモルファス・コアを持つ入力トランスです。このトランスは極めてナチュラルなトーナルバランスを再現し、音楽的で優れた表現をしますが、ブレークインには時間がかかり、経験上、最長400時間という長時間が必要な点が弱点とは言えます。が、何物にも替えがたい素晴らしい音楽を演奏するには、時間の犠牲には目を瞑っていただきたい、とジェフ・ロゥランドは言っています。

モノブロックアルミシャーシ

Model 555のシャーシは、一本のアルミブロックから精密削り出し加工されています。一体型のために、熱伝導、熱拡散に対して非常に効率よいシャーシです。RFI、EMIシールド、共振制御、マイクロフォニック効果を最低限に抑えます。

この一体加工シャーシは、ジェフ・ロゥランド・DGが先駆けとなった航空機用ハードアルミ製で、アンプと同等の大きさに切ったハードアルミブロックから時間を掛けて切削加工された一体型のモノコックシャーシ(フロントパネルとは分離型)です。このようなモノコックシャーシアンプの場合、シャーシ全体の温度が外部と内部の両方で同じになり、手で触ると若干熱く感じられますが、全体に熱を分散させ、放出しているので素子にはまったく影響はありません。モノコックシャーシのメリットは熱分散以外にも、振動に対して強い点が上げられます。外部からの振動は、リスニングルーム内において、スピーカーから床を伝わり、あるいは音が壁面によって反射され、アンプに届き、シャーシを振動させますが、ハードアルミの一体型シャーシはその振動の影響を最小限に止め、音楽信号を守りながら増幅します。従って、ノイズフロアレベルを低く抑え、音楽信号を際立たせて、ハイスピードで立ち上げるアンプなのです。

スイッチモード・パワーサプライ

アンプの電源は、定評のあるスイッチモード・パワーサプライによるもので、1999年以来、Jeff Rowlamd D.G.はこの方式を採用しています。パワー効率に優れている方式ですが、狙いはバッテリーパワーサプライに勝るとも劣らないDCパワーをアンプ回路に届けるためです。コンデンサーとダイオードの組み合わせによるパワーサプライは一秒間に50個の正弦波(場所によっては60)のマイナス部分を反転させて100の電圧による山を作り、その山と山の間にある谷をコンデンサーに貯めてある電気によって埋めるのですが、完全なDCにはなり得ません。(一直線の直流ではなく、やや凸凹のある直流になる) ところが、スイッチモード・パワーサプライでは、その山が一秒間に40000個と細かくなるので、限りなくDCに近いDC電源となるのです。この電源の効果は音質に表れますので、パワーアンプは電源が決定すると昔からいわれてきた評論家諸氏のことばを裏付けることになります。

高性能パワートランジスター

出力段はクラスAB級動作のトランジスターによるアナログアンプです。その特徴は、素早い反応とダイナミックさにあります。音の立ち上がりと音が崩壊した時間軸として見た場合、圧倒的なスピードで反応するアンプは聴いていて気持ちが良いものです。トランジェントに優れ、という表現以上に、雑音のない漆黒の背景から音が立ち上がって、そして瞬時に消える、その時には次のノートが立ち上がる、というように、音楽とはタイミング──時間軸の整合(位相)──と音色(トーナルバランス)が大切な要素です。音楽家が表現した録音を正確にリスナーに正しく届けるためのアンプがこのModel 555です。

ノイズを徹底排除する完全バランス設計

Jeff Rowlamd D.G.のアンプは90年代からバランス増幅回路を採用しています。もちろんModel 555も完全バランスアンプです。音楽信号をそのまま増幅するために、完全バランス差動アンプとなっています。ダイナミックな信号に対しても低ノイズ、超低歪みとなっています。

バランス増幅とは、正弦波の差を増幅します。プラスとマイナスの差ですから、アンバランスに比較して2倍の信号レベルの増幅になります。一方、どちら側にも若干のノイズも存在しますが、ノイズはコモンモードノイズ(同位相)で、プラスとマイナスの差は同レベルのノイズであれば、打ち消されて出力には現れません。

テフロン被膜内部配線

入出力で信号を伝達するケーブルにはテフロン被膜のケーブルを使用。エネルギーは絶縁部に貯蔵されることなく、オーディオ信号が消えゆく時にごく自然に消えていきます。これによって、音は非常に深い静寂の中から立ち上がり、消えていきます。

音楽信号を細大漏らさずに増幅、伝搬するために、内部配線ケーブルにも気を配り、ノイズ対策を徹底しました。テフロンで保護した銀線を使用したスピーカー出力端子へのツイステッドケーブル、入力にはテフロンの低損失シールドデータケーブル、パワーサプライケーブルにはノイズ減衰のためにPVCツイステッドケーブルを採用。このように、ジェフロゥランドは要所にテフロンを使用してノイズ対策に万全を期しています。アンプに入った信号は、不要な外部からの干渉を排除して、音楽信号を大切に守りながらスピーカーをドライブするパワーに増幅されていきます。

フロントパネル

Model 555 Front
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リアパネル

Model 555 Rear
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Specifications

実効出力
150w x 2 (8Ω)
250w x 2 (4Ω)
実効出力 (ブリッジ接続)
330 w (8Ω) BTL
入力インピーダンス
40kΩ(ステレオ)20kΩ(モノラル)
フェーズ
Pin 2 ホット
入力端子(XLRバランス入力端子)
ステレオインプット x 1系統(XLR)1系統
モノラルインプット x 1(XLR)1系統
出力端子(スピーカー出力端子)
ステレオアウトプット x 1系統
モノラルアウトプット x 1
※ CARDAS社製バインディングポスト採用
シャシー
6061ハードアルミ削出
重量
15kg
寸法
W400 x H100 x D370mm
同梱品
ACケーブル
3/2アダプタ
取扱説明書
保証登録書

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