Vivaldi APEX DAC / dCS

Vivaldi DACからVivaldi APEX DACへ

1996年、dCS初のコンシューマーモデルであるElgar(エルガー)の誕生以来、幾多の改良を行い、2007年に名器Scarlatti(スカルラッティ)が誕生いたしました。以来5年、dCSでは音楽ソース(デジタル入力)の多様化に伴い、プレイバックシステムに要求されるすべての信号伝達に対応する最高品位のデジタルシステム開発に取り組んでまいりました。

2012年、dCSは初代Vivaldi DACを発表しました。ディスク音源でここまでの音が楽しめるのか、と多くのユーザー、評論家の方々から絶賛されました。

10年目のときめき

それから10年、dCSの進化は止まりません。第9世代のVivaldi v2.0を経て、今春、まったく新しいDACボードを開発し、Vivaldi APEX DAC(ヴィヴァルディエイペックスダック)と命名してその名の通り、孤高の製品となりました。

Vivaldi DACは、更なる進化を遂げた10世代目APEX Ring DACを搭載いたしました。また、昨今のFPGAの進化によってVivaldi DACは、より使い手に寄り添うシステムとなり、メカが苦手な方でも簡単にご使用いただけるようになりました。dCSユーザーからのアップグレードサービスにも対応しています。(APEX DACの詳細はこちら、アップグレードについてはこちらをご覧下さい。)

Vivaldi APEX DACのDACボード、マザーボードは、それぞれ専用パワーサプライによってドライブされます。オーケストラからソロ演奏まで、明瞭にそしてごく自然に目の前にあるべきその姿を浮かび上がらせるのはそのおかげなのです。

Vivaldiシステムの中で中核を成すユニットはなんと言ってもVivaldi  DACです。このVivaldi  DACに新たに搭載された第10世代APEX Ring DACは、強化されたコア部分とチャンネル別のツインジェネレーターなど、Vivaldi DACオリジナルの良いところはレイアウトの変更などを主とした最小限の改善にとどめました。

ただ、APEX Ring DACではアナログ回路にはでき得る限りの改良が加えられました。DACは「接続器を選べない」という宿命から、市場にある多くのプリアンプ、パワーアンプとのマッチングをほぼ完璧にしなければならない、そして、音楽をより生き生きと再生する最高峰のDAコンバーターに昇華させよう、というのがAPEXプロジェクトの原点です。APEX DACは、ダイナミックレンジが拡がり、音の粒立ちがさらに良くなり、聴感上の帯域も拡りが感じられ、全体としてホログラフィックな音楽シーンの再現に大きく寄与いたします。また、ノイズフロアレベルも限界点に近いまでに低減され、演奏家の気配までもが刻まれる音、そして、しなやかで広く細かいダイナミック・シェーディング(諧調) を伴った実在感というハイエンドオーディオの感覚的要素を、いままでのVivaldi DACよりも、さらに高いレベルで達成することが出来ました。

デジタルチェーン全体をとらえて音質向上に寄与する姿勢は、音楽ソースを制作するプロフェッショナルな録音現場から、音楽再生の美しい繊細さを持つオーディオファイルに真摯な眼差しを向けるdCSだからこそ臨めた、音そのものの姿なのです。

充実の入力端子

Vivaldi DACのデジタル入力は、AES1+2、AES3+4というデュアルAESが2系統用意されています。Vivaldi TransportからのDSDデータ伝送は、デュアルAESによって取り入れられます。もう1系統は従来とおりUpsamplerからのデュアルAESを接続します。またUSB-2端子によってDoP入力に対応いたしました。お手持ちのサーバーからもDSD信号を受け取ることが可能です。勿論、今話題のRoonに対応した、Roon ready。Roon専用のNucleusや、最高品位のTaiko Extremeサーバー/ストリーマーと接続すれば(USB入力)世界最高のデジタル音楽が再生できます。もはや、アナログ、デジタルという音楽媒体のフォーマットを超えて、演奏風景が聴き手の前にエマージするのです。

Vivaldi シリーズ

更に同シリーズのVivaldi Upsamplerを使用することによってLAN入力端子(RJ45)によってiPhone、iPod、サーバーやUSBメモリースティックなどのポータブル音源入力も加えて、ほぼ全てのソースに対応することができます。これにより通常のCDフォーマット(16/44.1kS/s)に加えて、Hi-rez音楽フォーマットであるDXD(24/352.8,384kS/s)、DSDやDSDx2の音楽ソースを受け入れることができます。

Vivaldi APEX DACのクロック入力は、独立した2系統を装備し44.1kHzから192kHzまでのクロック信号を受けることが可能です。クロッキング能力の高いヴィヴァルディ・マスタークロックを接続することによって、高次のクロッキングによる再生を可能にした。出力は完全バランスディスクリート回路構成で、芳醇でキレの良い音を誇るVivaldi APEX DACは、これらの斬新な回路とデバイスによって、もはや芸術品の域に到達しています。フィルターはPCM 6種類、DSD 5種類が用意され、リスナーの嗜好や演奏する音楽によってフィルターを選択するという楽しみが増えました。まさに、オールマイティーのD/Aコンバーターです。

Vivaldi システムのスタイリングもまた格別です。光の当たり具合のコントラストにより非常にきれいな表情を醸し出します。Vivaldi各ユニットはともに独自のカーブを描くフロントパネルを持ち、その姿からも高度な演奏への期待が高まります。美しい梨地仕上げによるシャーシは強靱な分厚いハードアルミで構成され、外部からの共振にも耐性があがりました。ディスプレィは使用状況を一目で確認できるのみならず、精密感のあふれる洗練されたものとなりました。リスニングルームにセットして、その存在感とかたちの美しさから、これから聴こえてくる演奏がどんなにすばらしいものなのか、と夢は膨らみます。

dCS CEO ディヴィッド J. スティーブンからのメッセージ

私たちは、ここ英国ケンブリッジで、ゼロから製品を設計・開発するというdCSの伝統を維持し、デジタルオーディオの最先端を進み続けられることを誇りに思っています。現在は、ダウンロードやストリーミングによって、多くの人はこれまで以上にオリジナルのビット(原音)を手にすることができるます。シルバーディスクから新しい再生方式へと移行しつつある現在でも、dCSの「さらなる音の高みを追求する」というチャレンジングな姿勢に変化はありません。私たちは、作曲家、音楽家、演奏家が意図したとおりの感情表現をそのまま、完全に再現してリスナーが音楽を体験できるよう、デジタル音楽で演奏情景を再現することです。これは、とても大きなチャレンジですが、私たちdCSは喜んでその挑戦を引き受けます。

フロントパネル

Front Panel
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リアパネル

Rear Panel
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IRリモートコントロール(付属品)

IRリモートコントロール(付属品)
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Specifications

コンバータータイプ
5-bit 2.822MS/s dCS 第8世代リングDAC
デジタル入力
AES 1/AES 2(XLR)2系統(デュアルAES)
AES 3/AES 4(XLR)2系統(デュアルAES)
SPDIF 1/SPDIF 2(RCA)2系統
SPDIF 3(BNC)1系統
SPDIF 4(TOS)1系統
SDIF 2 DATA(BNC)2系統(CH 1/CH 2)
USB2.0(タイプA)
ワードクロック入力(BNC)3系統
デジタル出力
ワードクロック出力(BNC)1系統
アナログ出力
バランス(XLR)1系統(2番ホット)
アンバランス(RCA)1系統
2V/6V 設定可能
最大サンプルレート
USB:24/192kS/s PCM、DoP
デュアルAES:24/384kS/s PCM、DSD
シングルAES、SPDIF:24/192kS/s PCM
TOSリンク:24/96kS/s PCM
SDIF-2:24/96kS/s PCM、DSD
残留ノイズ
-113dB0以下 20Hz-20kHz
クロストーク
-115dB0以下 20Hz-20kHz
スプリアス反応
-105dB0以下 20Hz-20kHz
出力レベル
2V rms または 6V rms
消費電力
23W(曲型値),30W(最大値)
電源電圧
100V 50/60Hz
外形寸法
W444xH151xD435mm
重量
16.2kg
カラー
シルバー、ブラック
外部コントロール
dCS Mosaic Contlol アプリ(App Store、Google Playにて入手)音楽のプレイバック、ユニットコンフィギュレーション(設定)、ファームウェアアップデート
IRリモートコントロール(付属品)
  1. ※ Ring DAC(リングダック)とは、dCSの伝統であり独自の特許技術であるdCSのデジタル/アナログ変換技術です。Ring DACは「5bit、2.822M S/s」というDSD 2倍アップサンプリングよりも2.5倍の情報量を持っています。

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