HRSについて / HRS

音楽をよりよい音で聴こうとするオーディオファイルのみなさんは、音質、サウンドステージの追求に努力を惜しまないはずです。機器を変更するまでもなく、多くの改善点がみつかることがあるでしょう。たとえば、システムの配置、ケーブルの選択、AC電源への配慮、リスニングルームの構造など。しかし、思い通りに改善されるとは限りません。機器やケーブルの相性などで、なかなか思い通りに達成されないとお悩みのかたがたも多いと思います。

HRS(ハーモニック・レゾリューション・システムズ) は、機器の性能を最大限に引き出すためのオーディオツールです。創設者のマイク・ラトヴィス氏の発想とキャリアによって積み重ねた知識が特許となり、製品化の根底になっています。氏は航空機、軍用車両などの共振対策特許技術(*1)を基に、オーディオシステムにおいて革命的な共振対策システムを提供しようと、HRSを1999年にニューヨーク州で設立しました。

その材料のひとつが独自に開発した何種類かの有機化合重合体(ポリマー)で、アルミ、天然石などとの組合せによって、オーディオ再生に有害な振動を分散・吸収します。さらには、これらの材料のおかげで、私たちは旅客機キャビンの中で静かな旅が楽しめるのです。

オーディオ再生において、元が小さな振動であっても増幅されると演奏・音質を傷つけてしまいます。振動源は、機器自体のシャーシから発せられるノイズと内部回路からのノイズで(自家発生ノイズ)、その周波数は広範囲にわたります。加えて、スピーカーから発せられる音による振動、床や壁からの反射による定在波が振動(空気伝搬ノイズ)となり、これらがオーディオ機器シャーシの内部に入り込み、せっかく受け取った純粋無垢な音楽信号を増幅過程で汚してしまいます。

ここに、ある評論家が取ったデータがあります。ヨーロッパで定評のある、厚い木製の棚板をスパイクでサポートするラックと、HRSアイソレーションベースによる効果の比較です。まず、ラックの棚板にアナログプレーヤーを置き、レコードに針を降ろし、ディスクを回転させずに1mの距離から100dBの音圧で20〜20kHzのスィープノイズをスピーカーから発します。音波はターンテーブルに振動を発生させ、カートリッジが拾ったフォノアンプから出力を観測しました。ディスクは回転していないので、モーターによるランブルは無く、共振はターンテーブルやアーム固有のもので、それがどのくらい深く抑えられるか、がポイントです。

以下のグラフがその結果で、アイソレーションベースを介してラックにターンテーブルを置いた場合には、共振ノイズが大きく改善されていることがわかります。

graph

楽器同士の重なり具合、厚みと奥行き、テクスチュアが再現され、一音一音が明瞭になったこと、楽器のハーモニックスをはっきりと聴き取ることが出来るようになりました。

ラック本体が共振しないように各メーカーは工夫をしてきましたが、アンプなどは空気伝搬ノイズによってもパネルやシャーシが振動します。大切なことはラック本体のみならず、そこに搭載されている機器がスピーカーからの音によってどのような影響を受けてしまうかです。この評論家は実際にスピーカーからの音がどのように機器に影響を与え、それを排除するにはどうすればよいかのヒントを発表したのでした。HRSはスピーカーの音波による振動をアースに落とし、その振動を分散、吸収することによってノイズの無い本来の音楽を再生しようとするシステムなのです。

HRSとは「和音解析システム」という名称であり、その名の通り音楽をあるがままに再現するためのツールです。

HRSは、各アイテムを単体で使用してもノイズレベルの低下に効果がありますが、システムとして複合的に使用することによって、さらにその効果を高めることが出来ます。多くのユーザーとオーディオデザイナーによって効果が確かめられている製品であり、客観的データによってその効能が証明されています。オーディオシステムに加えるだけで音質の向上が聴き取れる、優れた共振対策システムです。

注*1 ロチェスター工科大学での研究をベースに、原子力発電所に関わるユナイテッド・エンジニアーズ&コンストラクターズ社、ロード社とエンダインエアロスペース研究開発部門など35年間に渡る共振分離対策のキャリアを持っています。

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