Rossini APEX DAC / dCS
Rossini APEX DAC
2015年6月、ミュンヘン・ハイエンドショウにて、発表されたRossini DAC(ロッシーニ ダック)。音楽ソースの様々な入手環境に対応した、また心が躍動するような高品位再生を行うシンプルなマルチネットワークプレイヤー、Rossini DACは一台で現在手に入るデジタル音楽ソースのほとんどをアナログ変換して演奏できるネットワークストリーミングDACです。
そして2022年。Rossini DACは、新たにAPEX Ring DACを搭載しRossini APEX DAC(ロッシーニ エイペックス ダック)として生まれ変わりました。広いダイナミックレンジと、市場にある多くのアンプやプリアンプとの最適なマッチングを考慮した、全く新しいdCSのD/Aコンバーターです。そのベースがRossiniという既存のDACをプラットホームとして完成させたので、外観に変更はありませんので、いままでのRossiniをアップグレードすることも可能です。APEX DACの音質は、多くのユーザーや評論家が絶賛するほどの飛躍を遂げたのです。音楽は生き生きと再生され、聴き手の前に演奏情景がくっきりと再現されるRossini APEX DACによって、音楽の表現力は大幅に向上しました。
Rossini DACは、発売以来、心臓部であるdCS Ring DACのマッピング、アップサンプルなどの改良を重ね、v2.xxとなり、さらに、2022年3月、アナログ部分に大幅に手を入れたAPEXとなったのです。dCSユーザーからのアップグレードサービスにも対応しています。(APEX DACの詳細はこちら、アップグレードについてはこちらをご覧下さい。)
エレガントで先進性を備えたVivaldi DACを連想させるRossini DACの筐体は、全く同等の作りで仕上げられています。見る者の目を引く美しいウェーブラインに、Rossini DACのアイデンティティーが強く主張されています。
デジタルファイル、ストリーミング、サーバーからのデジタルファイル、トランスポートからのディスクからの信号など、現在入手可能な音楽ソースを取り入れます。また、Roon ready DACでもあるので、Roon(Roonのご案内はこちら。土方久明氏によるRoonの解説ビデオはこちらをご覧ください。)による情報を得ることができ、音楽の楽しみはかたは大きく広がります。他を圧倒する性能のD/Aコンバーターを搭載したプレイバックユニットとして、Rossini APEX DACを貴方のオーディオシステムに加えていただければ直ぐにも現代最高峰の音質で音学をお楽しみいただけます。
まもなく30年になろうとするdCSの歴史の集大成、Rossini シリーズ・・・新しい時代の幕開けを宣言します。
マルチネットワークプレイヤー
シグナルプロセスプラットフォームに新開発UPnP音楽ストリーマーを加えました。デジタル入力は、USB、AES/EBU、SPDIFを備え、NASやオンライン音楽サービスは、イーサネットからRJ45経由で取り入れることが可能です。汎用性と使いやすさを高次元の音楽再生能力と両立させた、理想のマルチネットワークプレイヤーヤーです。
10世代目 Ring DAC APEX搭載
D/Aコンバーター部は、音楽再現性で他を圧倒するdCS最先端のAPEX Ring DAC (1)(リングダック)を搭載。FPGAは優れたシグナルプロセスと非常に柔軟な汎用性によって、将来的にも音楽ソース環境に合わせて可能な限り適応し発展させることが可能です。プラットホームソフトウェアのアップデートは、製品を長きにわたってご使用願いたいというユーザーを大切に思うdCSの思いなのです。
Rossini APEX DACには、Vivaldi APEX DACに搭載されたdCS 十世代目のAPEX Ring DAC が採用されています。強化されたコア部分とチャンネル別のツインジェネレーターなどによって、チャンネルセパレーションが向上し、低インピーダンス出力のため、市場にあるほとんどのプリアンプ、パワーアンプとのベストマッチが叶いました。それは、ホログラフィックな3次元的な音楽再生に大きく寄与しています。ノイズフロアレベルは測定限界に近い低さ、生き生きとした実在感を伴った音はダイナミックレンジの拡大によるもので、演奏家の気配までもが刻まれる音、それは、ハイエンドオーディオファイルの五感をさらに高いレベルまで昇華させるような表現力です。ハイスピードFPGAをチャンネル毎に搭載し、DAC自体のソフトウェアアップデートを可能にするのみならず、パワーアップするたびにフラッシュメモリーからプログラムされることで、そのパフォーマンスは飛躍的に向上いたします。またFPGAの進化によって、より使い手に寄り添うシステムとなり、メカが苦手な方でも簡単にご使用いただけるようになったのも特筆すべきことです。
PCM 24/384kS/s & DSD128 対応
ネットワークストリーミング機能については、プロセス能力と共に強力であり、現時点ではPCM 24/384kS/s 、DSD128までのメジャーなロスレスコードソース、加えてDoP/DSD、ネィティブDSDにも対応していることは心強い限りです。
アナログ回路とクロックを含むデジタル回路にそれぞれの信号やデータ処理を純化するために専用のパワーサプライを装備し完璧なDA変換を追求しています。Rossiniシリーズは、英国ケンブリッジにおいて設計、製造され、厳しい精度と製造基準にしたがって出荷されます。シャーシ内部には音響緩衝パネルによって機械的振動を吸収、さらに電磁波対策が施され、音質の高純度化を目指しています。
Vivaldiシリーズと同様、選別されたVXCOによるクロッキングについてもシンプルで効率的なオートクロッキングアーキテクチュアを維持しています。dCSのクロックは立ち上がり特性が非常に鋭く、ジッターを最低限に抑えているので、デジタルソースの高音質化に大きく役立っています。
CS製品は、デジタル進化を常に最新技術の恩恵をファームウェアアップデートという形で享受できます。これはdCSの伝統的なサービスです。CDやUSB、またダウンロードページ等にて最新バージョンのソフトウェアにアップデートが可能です。Rossiniは常に最新機能を装備できるのです。(ハードウェアアップグレードは有償となります。)
一旦演奏が始まると、静寂の中に音楽が現れ、きわめてオリジナルレコーディングに忠実な音色と音像によってリスナーはその身をごく自然に音の中に置くことができます。音楽を聴くにつれてリスナーはパワフルで官能的な音でありながら、かつてない透明性にお気づきになることでしょう。それは、果てしなく、リアリティに富んだ音楽体験への旅立ちなのです。
dCS Mosaic アプリ
Rossini シリーズは、新しくパワフルなユーザーインターフェイスを持っています。お手持ちのスマートフォンやタブレットを利用したカスタムコントロールが可能な「Mosaic アプリ」(無料)をご使用いただくことによって、コントロール操作をより身近なものにします。iRadio、 デジタル、UPnPソースに瞬時にアクセスし、操作するものに利便性と喜びを与えてくれます。
ヘッドフォンユーザーに向けた Rossini APEX DACの挑戦
ExpanceをRossiniにも
ヘッドフォンで音楽再生を楽しむ場合、通常のスピーカーによるステレオ再生に比べ「何か音の出方が違うな?」と違和感を持つオーディオファイルが実は少なくないのです。dCSではその問題を解決するために「Expance」(エクスパンス)というプログラムを開発してきました。
ステレオ再生の場合、右チャンネルと左チャンネルから発した音楽を、私達は左右の耳で聴きます。部屋の反射や吸音など多くの問題はありますが、自然の反射は録音と同時に記録されて、伝統的なオーディオシステムによって再生されます。その床には、距離、空間自然さ等など、私達がライブ音楽のような再生を可能にし、オーディオファイルもそれに近づけるようにシステムを調整します。
ヘッドフォンでは、直接耳に向かって音楽を発するので室内音響効果を取り去ります。加えて、左右にはそれぞれ録音された左右チャンネルの音が独立して、また、干渉せずに隔離された音として再生されます。この隔離された左右の独立音は良い点もあります。優れたヘッドフォンは部屋の音響特性を受けないからです。音楽体験としては、とても身近に感じるわけです。とは言っても、どんなに優れたヘッドフォンでも自然の音響空間やサウンドステージは、独立した音源が直接耳に届くために、その再現できません。どういうことかというと、その演奏は聴き手の頭の中で行われているという錯覚を創造するということです。
dCSアプローチ
長い間オーディオファイルは、ヘッドフォンによる音楽鑑賞は空間表現がとても不自然だということに気付いていました。いくつかのメーカーはこの点を理解し、この不自然さを解決しようと独自の技術を提案してきました。その効果と有効度はとても広範囲なものになっていました。一般的には、その解決方法はクロスフィードというタイプを利用しています。それは、左信号の一部を右からも再生し、右信号も一部を左から再生するという方法です。問題は、マスタリング、レコーディングとも左右のスピーカーを介して行われ、左右のスピーカーからの音を確認して完成されているという現実からは、全ての要素を補正できないために、やはり乖離した音響空間がヘッドフォンからは出てくるからです。dCSにとっては既存の技術はヘッドフォン再生機に持ち込むにはあまり価値のないものでした。
dCSは、ヘッドフォンによる音楽再生をスピーカーによるリスニング体験と同じようになるように最適にしよう、と決心しました。エンジニアチームは、今までの技術的な要素を考えずに信号経路の全体的な均等化、共振や部屋の響き(リバーブレーション)の保持、そしてクロスフィード技術をより自然な方向へと適合させて仕上げること、といったファクターに目を向けました。dCSエンジニアのアンディー・マクハーグが主にチームを率いて、クロスフィードをさらに進化させるべく、dCS Expanseという方式を完成させました。それは、Bartók DAC with Haedphone、そしてLina Network DACに登載し、多くのヘッドフォン愛好家、マニアから評価されています。このユニークなExpanseのプロセスはデジタル領域で行われ、そのために進化に合わせてアップデートもできるようにしました。
Rossini APEX 2.1
ヘッドフォン再生をExpanse設定で聴くと、サウンドステージは聴き手の頭から大きく外に拡がります。音楽演奏が、慣れ親しんだ2チャンネルステレオによる再生のように、サウンドステージのように聴き手の目の前に拡がります。頭の上からきこえるようなクロスフィードとは違って、現場にいるような間隔をリスナーに提供する音響心理学的な要素まで加えられ、音色、スペース、残響の再現が最適に行われるのです。
Bartók DAC with Haedphoneのユーザーは2スピーカー再生とヘッドフォン再生という、2つの方法で音楽を楽しむ、いわばハイブリッドリスナーです。Bartók DAC with Haedphoneは、基本的に異なる2つの方式の再生方法に順応しします。ユーザーもこの2つの再生能力を十分に楽しんでおり、ヘッドフォン演奏に関しても、Expanseによる音楽再生を非常に高く評価されています。 dCSはRossini DACでもヘッドフォン再生をBartók DACと同じように楽しんでいただきたい、と考えました。
特に、Lina Headphone AmplifierとRossini APEX DACとのコンビネーションによって、極上のヘッドフォン音楽再生が楽しめます。Expanseによる演奏は、迫真のリアリズムとも申せましょう。dCSによる伝統的な音質的特質、すなわち、精密感あるれるディテールを余すところなく表現する描写、遠くまでをも見透すかのような透明感、自然で正しく表現される音色と色調、テクスチャー。それらが一体となって織りなす迫真のサウンドステージ。聴き手は原音の空間感を体験し、音楽演奏にもっともっと親密に結びつくことができるのです。
Rossini APEX 2.1は、Mosaic アプリによるダウンロードが可能です。
フロントパネル
リアパネル
Specifications
- タイプ
- アップサンプリング ネットワーク D/Aコンバーター
- コンバーター
- dCS Ring DAC
- アナログ出力
- バランス(XLR) x 1ペア(2番ホット)
- アンバランス(RCA) x 1ペア
- 出力レベル:6V/2V/0.6V/0.2V (メニューにて設定可能)
- デジタル入力
- ネットワークインターフェィス RJ45:UPnP レンダラー、エイシンクロノスモード:NAS,PCストリーミング
- FLAC, WAV,AIFF等24/384S/s
- DSD64,128 DFF/DSFフォーマット
- その他、WMA, ALAC,MP3,ACC, OGGをサポート
- iPod, iPhone, iPad via Apple AirPlay 44.1/48kS/s
- USB 2.0(Type B)エイシンクロノスモード:PCM24bit/384kS/s以下、DSD64、DSD128 DoP を受入
- USB(Type A)エイシンクロノスモード:PCM24bit/384kS/s、DSD64、DSD128
- AES/EBU x 2 (Dual AES):PCM24bit/192kS/s、DSD64 in DoP(dCS暗号化のDSD64、DSD128、PCM24bit/384kS/sを受入)
- SPDIF (RCA) x 1:PCM24bit/192kS/s、DSD64 in DoP
- SPDIF (BNC) x 1:PCM24bit/192kS/s、DSD64 in DoP
- Toslink SPDIF x 1:PCM24bit/192kS/s
- ワードクロック入力
- BNC x 2:44.1、48、88.2、96、176.4、192kHz
- ワードクロック出力
- BNC x 1:マスターモード
- 残留ノイズ
- 16bit:−96dB以下(6v出力時)
- 24bit:ー113dB 以下(6v出力時)
- フィルター
- PCM:6種類
- DSD:4種類
- 電源電圧
- 100V 50/60Hz
- 外形寸法
- W444xH125xD435mm
- 重量
- 15.6kg
- カラー
- シルバー、ブラック
- コントロール
- 外部コントロール
- dCS Mosaic Contlol アプリ(App Store、Google Playにて入手)音楽のプレイバック、ユニットコンフィギュレーション(設定)、ファームウェアアップデート
- IRリモートコントロール(オプション)
- ※ Ring DAC(リングダック)とは、dCSの伝統であり独自の特許技術であるdCSのデジタル/アナログ変換技術です。Ring DACは「5bit、2.822M S/s」というDSD 2倍アップサンプリングよりも2.5倍の情報量を持っています。