Tesseract / Avalon Acoustics

3次元世界において次元を追加する4次元のハイパーキューブ物体を"Tesseract"と呼ぶ

25年以上に渡り私たちは物理的で電気的現象を理論的に応用してスピーカーモデルを制作してまいりました。しかしどのスピーカーも今まで議論されてきた音質、ハイエネルギーバランス、トランスデューサーが完全に一体化された製品を誕生させることには残念ながら至りませんでした。

Avalon Acousticsではついにリサーチ、デザイン、美的感覚バランスの頂点に達したスピーカーを完成させました。私たちはこのスピーカーをTesseract(テッサラクト)と名付けました。四次元のハイパー立体、高次元の物体を私たちの三次元空間で具現化するという、前人未踏の快挙なのです。

再生音楽を人間性と感情を維持したままに、解像度を高く十分なエネルギーをもって再生するフルレンジトランスデューサーを開発することが、Tesseractの開発目標としました。技術は常に理想的な美的外観に服従するものですが、外観を理想的に保つ新しい技術の開発が重要でした。

実際の波動現象、(光学的、磁力波的、重力波激な波動は全て同一の法則に基づいている)についての観察を基準を設定しました。例えば、マックスウェル博士の偏微分方程式は電気力学の基礎であるのみならず、流体力学の基礎でもあり、テンソルの分野では引力や空間的な相関関係決定付けるものです。

エネルギーの放射は測定マイクの位置ではなく、放射エリアの全体にわたって測定されるべきだ

スピーカーの放射パターンは放射される波形に歪みをもたらしますが、またスピーカーと部屋の反射においても歪みは発生します。本来波形の判断はトランスデューサーの周囲と放射エリア全体において、無限の測定点での結果をもとに行うべきです。リスニングポイントなど一点での測定では正確なスピーカーの性能は把握できません。

大型のスピーカーはドライバーの配列において、通常は見過ごされるような問題を抱えています。「どのようにしたらこの自己主張の強い構造を音響的に消すことが出来るのか」ということです。どんなにトランスデューサーの最初の信号がきれいに一体化していても、エネルギーがリスニングルームの壁面や天井面から反射してスピーカーキャビネットに届いたときにどうなって届くかが分かるのです。仮に、冷蔵庫のような形の箱が部屋に追加されておかれた場合、音を発しないとしてもその存在は聞こえてくるのです。放射が戻ってくるという考えに基づいて、慎重に設計された存在感のない、いわばステルスキャビネットが空間から音響的に消えることが出来るのです。

TECHNICAL GOALS

最大再生帯域を徹底的な低歪みを実現いたしました。16-50kHz(-3dB,12-72k Hz)におけるフラットな反応です。

NO PHASE ERRORS

クロスオーバーにおいてフェーズエラーが発生しないこと、これが重要です。このプロジェクトのフィルター設計は、クラシックなオールパス・フェーズネットワークを基本に開発されました。Avalon Acoustics独特のこのネットワークは、最低限のリップル波のため、クロスオーバー周波数での位相が一貫性を持っています。ストップバンドでのアウトプットが低いのです。トランスデューサーの位相統一ということは、音響中心点を基準に配列した複数のドライバーの配列より遙かに複合的な要素を持っています。スムーズな放射反応パターンを三次元空間で要求するには2π、4π放射パターンの電気的ネットワーク出力固有の放射パターンを考慮しなければなりません。Avalon Acoustics独自のネットワークは、ピストンモーション、ドライバー間の距離、クロスオーバー周波数などによる変則的な放射エリアを考慮して、フェーズの一貫性を得ています。この新しいクロスオーバーデザイン方式では、ドライバーのフィルターはドライバー配列内において異なっているということなのです。

ここでいうフェーズとはレコーディング時に起こり得る全ての歪み要素を含みます。デジタルオーディオエンジニアは、ブリックウォールフィルターやもっと洗練された方法にも内在するトランジェント反応と周波数帯域とのバランスを最適にするために、妥協が必要であることを理解しています。時間の流れは絶対的に一定です。スピーカーの役割はオーディオチェーンのなかでもとりわけ大きく、音をひずませたり破壊したりします。ほとんどのスピーカーはこの処理に対してお粗末ですが、極端な一部のスピーカーはその存在すら無視しているほどです。

グループディレィ歪みゼロ

32Hz-16Hzという低いオクターブでのフェーズエラーは許容すべきではありません。超低域、16Hz以下のフェーズエラーはベンテッドボックスや密閉式のキャビネットでは逃げることができません。ベンテッドボックスでは、ポートのカットオフ帯域以下では位相は乱れますし、密閉式ではリアキャビティーサイズに限度があり、豊かな低音が得られません。

ここでの有効な解決方法は、トランスミッションラインで、一挙に問題を解決します。パスバンドのリップル波は、ミッドレンジのハーモニックス構成を曖昧にするのでそれをゼロにしなければなりません。非振動のテーパーと内部でのスタンディングウェーブのコントロールはどちらも重要です。トランスミッションラインと中低域とのブレンディングは、Avalon Acousticsのテンパードスケールチューニングによって音楽的にベストのものが求められました。2の12平方根は数学的には無理数です。それは西洋音楽スケールで平均律においてハーフトーンの周波数比率を制限する数字です。この原理はトランスミッションライン内のスタンディングノードを分割する上で必須です。中低域と中域で低いQを得るには高BI プロダクトシステム(a high Bl product system)を創らねばなりません。特別なキャラクターを持つアヴァロンのカスタム設計ドライバーとイソバリック配置によって、この問題は解決できます。電気的な方法によってシステムQを0.5にすることで,最低限度のオクターブをフラットな周波数帯域とフラットな位相反応を得ることができます。電気的なローパスフィルターはリップルがミッドバス領域に干渉する前にそれを打ち消してしまいます。パッシブな部分とサブウーファーセクションとのコンビネーションでは、インピーダンスは定規で引いたようにフラットな5Ωです。2.5kwのアンプが各チャンネルのスピーカー内にあるトランスミッションラインに直接接続しています。

混変調(IM)歪みを最低に

この問題はドライバーアレィでの隣り合うドライバー間での歪みについての問題です。振動する表面を持ったドライバーはその隣にあるドライバーと相互干渉し、出力波形パターンに歪みが生じます。解決方法は次の通りです。
1、位相が整っている各表面からの出力のみを使用する。
2、システムのフルパワー出力とは関連しないドライバーからローレベルの振動を取り去る。
3、特定の物理的表面を加えて補正できないエネルギーの方向を向け直す。

この目標のためには非共振のキャビネットが必要です。しかし、といっても振動から逃れられる材料なんてありません。過大な振動は除去されるべきですが、第3次のローレベル振動(tertiary low level vibrations) は信号と音階的に(ハーモニカリー)統合されます。

素直な解像度

周波数帯域の強調を伴わないシャープなイメージのエッジ解像度のことです。アナログ領域のアンチエイリアシングフィルターは、オーバーラップする波形発生源から余分な帯域を除去します。イメージエッジでモアレや混濁したにじみなどが起こらないように、ストップバンド外でのノイズを制限します。このモアレなどを除去するために独自のアナログフィルター技術が役に立ちます。

最大限の演奏環境を得ること

ホール環境での基礎的なトーン構成は-20dBで、-60dBまで下がるところもかなりあります。フェーズノイズ、高域でのIM歪みはローレベル情報を消し去ります。どのドライバーでもブレークアップモードは許されません。特にトゥイーターではその影響が大きいのです。ソフトドームトゥイーターは良くない、という理由はここです。

ローノイズフロア

フィルターネットワークを使用するスピーカーでの情報量が失われることは多くのスピーカーに見られます。ここに、単純なシンプルネットワークの方が優れているという誤謬が生まれました。粗悪なネットワーク部品では複雑な回路をくみ上げた場合、ロスを増大させます。Avalon Acousticsでの解決方法は、精度の高い独自の構成要素を創りあげることです。このような、ロスの少ない部品は時間軸が一定であること(ストーレージタイムがマイクロ秒単位であること)精度の高い抵抗値(温度変化のないこと)、そしてローヒステリシス(自己のインダクタンスを最低限にし、広帯域においてDC抵抗が低いこと)である点が重要です。このような高精度の部品を使用すれば複雑な回路を制作出来ます。クロスオーバーはドライバーに対して、音楽再生品位を決定する重要な電気的コントロールを行います。これはシンプルなクロスオーバーでは絶対に不可能です。

電力飽和を排除して、ダイナミックヘッドルームを最大に

インダクターとコアデザインの先進的な技術は飽和が現れるまで、デバイス内で、一般的な回路の10倍の電流スパイクまでの設計が可能になりました。

コンスタントQとローヒステリシスを消去して最大のトランジェントスピードを

電気的信号の輪郭を示すことは今までに積み上げて来た技術を、ドライバーVas、BIプロダクト、特別に形成されたドライバーキャビティーとのコンビネーションでコンスタントQデザインを設計しました。この場合のコンスタントQとは、アレー内の帯域全てでトランジェントリンギングを最低限にすることと、ドライバーからドライバーへのQを一定に保つことです。これにはある場合には密閉エンクロージュアが要求されます。また、ある場合はベンテッド、またはトランスミッションラインエンクロージュアが必要とされます。

新しいセラミック、ハニカムコーンミッドベースドライバーはこの目的のために新たに設計したデザインです。トランスデューサーの暖かいゾーンにかけて0.5Qを保持するためアンダーハングギャップ内で非常に高いBIマグネティック構造のものです。新しいらせん状のマグネティック構造はミッドレンジ、トゥイーターに密閉のトランスミッションラインとともに採用され、そのために最低トランジェントリップルという概念を具現化しました。

●ポイントソース(リアルなイメージサイズのために)帯域にたよりすぎると膨張されたり、縮小されたりするイメージができあがるが、そんなイメージを排除する。
●スムーズで均等な極反応(ポーラーレスポンス)

これらの基準はお互いに関連し合っています。マルチドライバーアレーではラインソース、ポイントソースドライバー配列が録音に忠実な差異性を維持するには実行可能な選択肢です。極反応についても同様です。オープンな無指向性、オープンカーディオイド反応がなければ、フェーズエラーはドライバーで音が発生された後に、キャビネットとの相互作用の問題となってきます。これはリスニングルームのトリートメントで解決できません。最も一般的な初級スピーカー設計での解決方法は、複合的なアレーにおいて一次フィルターを均等化しない設計です。

この、ノンポイントソースアプローチではステージの前に現れる中域のイメージがとても大きく膨張され、ステージの後方は元気のないイメージになります。これはスピーカーの歪みを全く無視した設計で、非常にはっきりとその欠点が現れます。

スムーズな極反応は、サウンドステージ全体にわたって均等なイメージをもたらします。放射エリアでの注目点は、前述のイメージサイズでの問題で話しました。表面上で配列が不適切にバランスしていた場合には、小さく現れるべき出力、楽器、声が大きくなったり、または大きく現れるべきものが小さくなったりします。

帯域内全体にわたっての完全なピストンモーション

帯域内でのドライバーにブレークアップモードが生じないこと。ソフトドームは位相情報について、その性質から歪みを生じさせ、いっぽう、独特の派生物でハーモニック構造に色付けをおこなう。これは機器の増幅とサウンドレインフォースとを間違って同等に扱うような、ハイエンドトランスダクションの残り物のようなもの。(ハイエンドとは言っても、間違った考えを引きずっていて、それがハイエンドに入ろうとしている設計者の頭に残っている、という意味のようです)この中にいる人たちの世界では、みんなそれぞれのアンプや機器のために特別なサウンドを探し求めているのです。最良のプレーバック・トランスデューサーは忠実に音を再生するものであるべきで(増幅された楽器から、例えばギターなど)、その音は演奏家が彼の選択で決定した音であって、それに特別の音色を加えた音ではないはずです。多くの機器のカラレーションは(例えば、マーシャル、フェンダー、ハイワットなど)特定のコーンモードを強調したために起こるもの。このようなカラレーションを音楽再生に使用することは、ハイエンド設計の観点からは許されません。

Avalon Acousticsは位相エラー、ブレークアップを-60dB以下に落としています。それ以上は許容しません。それぞれのドライバーにおいてはフラットなインピーダンスカーブを持つ。アンプ、スピーカーのインターフェィス歪みを排除 ・どの帯域でもバックEMFのないダンピングネットワーク ・ アンプにとってリアクティブロードが無いこと これらの3つの基準は物理的なドライバーのダンピングとパッシブな電機部品のコンビネーションに当てられたもので、これは、ボイスコイルのインダクタンスと逆起電流をキャンセルします。 ドライバーはここでは、単にフーファーなどと言うのではなく、すべてイコールと考えられます。 このことは、スピーカー、アンプのインターフェイスについて言えばとても重要です。アンプに負荷抵抗を加えるとアンプの質はすぐに分かるでしょう。私たちはスピーカーがアンプ、フロントエンド機器にかかわらず同じように鳴ることを知っています。このような鈍感なようなアプローチは私たちの目標へのアプローチとは正反対です。

Specifications

ドライバーユニット
2cm ダイアモンドアンダーハングボイスコイル トゥイーター
11,5cm セラミック・ハニカム アンダーハングミッドレンジ
28cm セラミック・ハニカム アンダーハングボイスコイル ミッドベース
38cm 低 Q ハイフォースファクター ウーファー x4
周波数帯域
16Hz to 50KHz (+/-0.5dB 無響室反応, +/- 1 dB 典型的室内反応)
室内低域反応: (-1.5 dB @ 16Hz, -3 dB @ 13Hz 典型値、エアヴォリュームによって異なります)
エンクロージュア
ポート・フロアー型
能率
93.5 dB (1 watt @ 1 meter)
全高調波
< 0.30% 再生周波数帯域内)
ドライバー間位相
<3度以内
ノイズフロアレベル
<68 dB以下(最大レベルに対して), < 76dB (典型値)
グループディレィ歪
3ミリ秒以下100Hz to 16Hz. 1ミリ秒以下100Hz to 20KHz.
能率
93.5 dB (1watt @ 1meter)
インピーダンス
6Ωノミナル (4Ω最低値 @80Hz)
推奨アンプ出力
15 to 500 Watts
寸法
W740xH2210xD820mm
重量
375kg (出荷重量908kg/2ch)

Isis

Powered Isobaric Transmission

出力
3.2Kwatts/channel
信号感知
自動
ゲインマッチング
自動
マスターゲイン
+/-2.5dB (固定抵抗エレメント、0.25 dB毎)
最大レベル
周波数カーブをスイッチにて選択
トランジェント速度
周波数カーブをスイッチにて選択

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