Isis / Avalon Acoustics

全てものごとは感動によってはじまる

開発は感動からはじまる、というデザイナー、ニールパテルの哲学によってAvalonのスピーカーは設計されます。その課題は、音楽を創り出す音楽家と聴き手との間に精神的融合、連帯感を感じ取れる作品を創造すること。ソースに正確で耳にも心地よいトランスディユーサーを通じて、聴き手と音楽家とを橋渡しすることこそ、スピーカーメーカーの役割なのです。

あらゆるジャンルの音楽再生を聴き手が「演奏会場にいる」と錯覚するスピーカーを作ることがAvalonの制作動機であり、設立当初から堅持する経営哲学です。サウンドステージの表現や焦点フォーカスなどの表現が、困難とされていた大型スピーカーにおいても、その設計思想は完璧に受け継がれています。Isis(アイシス)はステレオアンプ一台でドライブできるAvalon スピーカーとしては最大サイズとなりましたが、大型スピーカーとは思えないきめ細やかな繊細さ、トランジェントスピード、ハイスピードベース反応、など全ての面でAvalon DNAを受け継いでいます。

スピーカー開発に携わるものは音楽を愛する人間でなければならない

音楽演奏の再創造を完璧に行うには、スピーカー設計者の音楽に対する感性と知性、そして理解と体験が絶対的な要素です。細かい部分をききこんで、ディテールを積み上げ全体的な音像と音楽表現を判断する。繊細なディテールを認識してこそ、音楽を完璧に再現するスピーカーを造ることが可能なのです。

不思議と思われるかもしれませんが、Isisの開発理念は手の込んだアートといわれる製品を目指すのではなく、判断基準を明確にするツール、もしくは技術手段としてのスピーカー開発にあったのです。他とは比較にならないようなすばらしい芸術作品を創り出すインスピレーションはIsis プロジェクトに必然的に伴っている名状し難い繊細なレベルの問題探求を反映するものということになります。単純な技術的回答、例えば狩野派の屏風を制作するための材料は何か(紅、金箔、藍などの顔料と和紙など)ということは、その作品を創造した芸術家の感情や表現意欲などには決して言及しないということを忘れてはなりません。スピーカー設計のおもしろい点は、ユニットメーカーやネットワークの技術よりも、設計者の感性と知性によって音がつくられていくということに尽きます。

本質はディテールに宿る

Isisに応用した最新技術はその基本設計から制作方法まで全てに渡っています。各ドライバー、特にウーファーでは希土類元素、ネオジウム磁気構造を採用し、システムとしてはそれを応用した世界初のトランスディユーサーとなりました。その恩恵によって混変調ひずみ、位相ひずみとも大きく低減させることができました。配線材については冶金学からの検証とワイヤー自体のノイズレベルの低さを主体として独自に研究開発しました。クロスオーバーこのような微細レベルまで検討した製品は今まで無かったといえる程の深い測定と研究開発を行いました。各ドライバーへの電流伝達とコントロールはいままでのネットワークよりも強力になっています。この強力でデリケートなネットワークの設計と製作が完成したおかげで、電圧ソース、カレントソースアンプのどちらのタイプを使ってもIsisを90dBの音圧でドライブすることが出来るようになりました。これはトランジェントの上限から見ればなんと10dBも増加していることになります。

キャビネット構造、形状とも白紙から設計し直しましたが、システムのノイズフロアレベルを深くする振動分離テクノロジーはAvalonの伝統です。Isisは完全な位相反応、適切な制動(ダンピング)、そしてピンポイント定位の正確さ、ディスパージョンの各再生帯域における整合性、ノイズレベルの低さという初期の技術目標を完全にクリアーしました。このような要素を統合するためにアヴァロンでは複雑なコンピューター解析を行いました。細部まで気を配った物理学的、電気学的な分析とのコラボレーション、可聴帯域を超えての位相反応整合は、理想を求め長期にわたる試聴と練りに練って完成したアヴァロン自信のクロスオーバー ネットワークによるものです。

ノイズフロアレベルを極限まで下げることは、音と音の間を限りなく透明に、そのすきまを深く、静かに、透明にすることです。それによってサウンドステージは明晰に描かれ、ラージフォーマットの写真のようなきりっとしたフォーカスと細やかなグラデーションを再現しトランジェント特性を高めます。ダイナミックレンジを大きくとることによって、ステージ表現を透明度、明晰度のあるものにし、周波数帯域のムーブメントにも関わらずきりりと締まったフォーカスを再現します。同時に時間軸位相再現性の正確さ、トランジェント精度という音楽のエッセンスを楽器の自然な音色を添えてお届けします。

血の通った音楽の高度な再現を求めるには、最新テクノロジーに加えて心温かい人間のほとばしる情熱によってのみ可能であるとAvalonは確信しています。動的(アクティブ)測定技術は実際の音楽状況におけるスピーカーの実力を露にします。この測定技術を通じて、システム全体に関わる電流飽和効果は大幅に低減させました。クロスオーバー回路における正確な位相が達成でき、ドライバー間のジッター(ドライバー間におけるミスタイミング)は実質的に排除できました。これらテクノロジーの音質的な成果は入力信号の強弱に関わらず倍音構成と定位とを維持する安定した、しかもしっかりとピントの合った視覚的イメージの再現性に現れてきます。

演奏家の気配を感じさせる絶対的な実在感、その演奏の背景はほんとうの静寂の上にごく自然に構築される三次元的な奥行き、高さ、広さをはっきりと再現するイメージング、それがAvalonの絶対基準です。この基準を満たした上で、Isisは技術的に最も洗練されているスピーカーということができます。Isisの技術レベルに到達するスピーカーは、いや、これに近いパフォーマンスを行うスピーカーでさえ、現状では得られないであろう、とAvalonは確信しています。

Specifications

ドライバーユニット
2.5cm ダイアモンドダイヤフラムトゥイーター
18cm セラミックコーンミッドレンジ
33cm ノーメックス・ケブラーコーンウーファー x2
エンクロージュア
ポート・フロアー型
能率
90dB
インピーダンス
周波数帯域
20Hz~45kHz
推奨アンプ出力
50~750W
寸法
W368xH1524xD432mm
重量
95kg

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